「お風呂に入って、ファミリーレストランに行くことが、いまの夢」

藤森キャスター:
石川・七尾市の避難所では、いま約200人の方が夜を明かしている状況です。暖をしっかり取れているのか、本当に心配です。

この近くには、自衛隊が用意した、お風呂が設置されています。8日からようやく、この避難所で暮らす人たち以外も、このお風呂に入れるように受付が始まりました。少しでも早く温まってほしいと思います。

こうした中、お風呂にもまだ入れずに、避難所ではなく、さまざまな形で、自分たちの手で、避難を続けている人たちがいらっしゃいます。
輪島市内で、子どもたちと暮らしている坂口さんによると、周りの人の中に、とにかく気を張って、あちこち動き回って、頑張りすぎてしまったために、体を壊してしまった人がいるそうなんです。

だから、自分はあえて、みんなのためにも、あまり頑張り過ぎないようにしている、と話されていました。
また、子どもたちとは、お風呂に入って、ファミリーレストランに行って、たくさんご飯を食べることが、いま当面の夢なんだ、一緒にそういうことをしたいね、そんな話を毎日のようにしてるそうです。

輪島市内には、ビニールハウスで過ごしている方もいらっしゃいました。
きょう初めて、お味噌汁の炊き出しを行うことができた。きのうから電気が通ったということです。
とにかく皆さん明るいんです。明るく接してくださるんです。
でもそれは、泣いてしまったら、張り詰めていた気持ちが保てなくなる、泣くことすらままならない現実なんです。
ビニールハウスは、人が暮らすための場所では決してありません。いつまでこの生活が続くのか、心を繋ぎ止めるのに精一杯という様子でした。

輪島市では、連絡が取れない人の数が、8日の午前9時時点で31人だった数字が、午後2時時点では281人に増えました。
一刻も早い救助活動、捜索活動を最優先に行うことはもちろんなのですが、一方で、こうした被災した方々が身を寄せている場所で、1人1人の心と体の細かいケア、ここにもしっかりと支援の手が伸びるよう、皆さんで何とか手を取り合って、希望を繋いでいってほしいと強く願います。