「若い人が帰ってくるのなら、耐震補強もするが…」

一方、すでに耐震工事を終え、難を逃れた人もいます。

耐震工事を終えた、築52年の自宅に案内してもらうと・・・

珠洲市市議の向山忠秀さん(73)
「去年5月の地震の時には全然影響がなかったし、今回の1月1日の震度7でも耐えてくれました」

しかし、自宅から徒歩3分のところにある、築50年以上の事務所は倒壊し、ガレージが潰されてしまいました。

向山忠秀さん
「自宅ではないので、少しおろそかにしていた。耐震(工事には)けっこうお金もかかるので。お安くないです、耐震(工事)は」

耐震工事が進まない理由は、“お金の問題”だけではありません。

向山忠秀さん
「若い人が帰ってくるのなら、耐震補強もする、トイレも水洗にするという思いもあるだろうけど、私らの代で終わりなら、あまりお金をかけても意味がない、無駄な仕事ということになる」

石川県防災会議震災対策部会のメンバー、名古屋大学 福和伸夫 名誉教授は、もっと警鐘を鳴らすべきだったと話します。

名古屋大学 福和伸夫 名誉教授
耐震化は、地震対策の一丁目一番地。ただ、東日本大震災が起きたあと、この十数年間は、どちらかというと、津波対策に社会の目が注がれていて、その大切さを訴える機会が、減ってきてるような気がいたします」