今回の能登半島地震で多くの建物が倒壊し、その下敷きになるなどして被害が広がりました。なぜ被害は拡大したのでしょうか?また地震発生から1週間経った今、被災地で生活を続ける人たちに必要なものは何か尋ねました。

去年の地震に耐えた家が…

珠洲市の街中に並ぶ、木造家屋。その多くは、新しい耐震基準ができた1981年より前に建てられたものです。
市によると、住宅の耐震化率は2018年時点で51%、全国平均(約87%)に比べて低いといいます。

珠洲市では、2023年5月、最大震度6強の地震が発生。建物に多くの被害が出ました。

記者(6日)
「市内の建物には、“危険”と書かれた赤い張り紙が張られています。判定日時は“5月”となっていて、今回の地震のものではないことがわかります」

2023年の地震で、玄関など、自宅の半分を失った薮伸児さん(60)。

薮伸児さん
「去年の5月に、自宅に繋がった古い家があった。その古い家を解体して、これから、そこに小さい部屋を作ろうと段取りをしていた」

損傷部分にブルーシートを被せて、修繕と耐震の工事を依頼していました。しかし…

薮伸児さん
「実際には、順番待ちで、結局、家が建てられなかった。大工さんも忙しくて『他のところもいっぱい現場がある』と言っていた。なかなか手が回らなかったみたい。今年、本格的にスタートしようとしたが、そのスタートする前に地震が来てしまった…」

2023年の地震に耐えた部分も、今回の地震で損傷。もう住める状態ではないといいます。