食事券を握りしめて

「管制指示により出発時間は2時間以上遅れる」
保安検査場を通過して搭乗を待っていると、アナウンスが流れた。
羽田空港での事故から一夜、その影響はやはり避けられないのだろう。
東京から先の乗り継ぎについて、航空会社の係員と相談する乗客の姿も見られた。
ちなみにこの時、航空会社から、稚内空港で当日のみ利用できるという食事券が配られた。
なんとか離陸できたが…

飛行機は、予定の出発時間からおよそ2時間半遅れて稚内を離陸した。羽田には午後5時半ごろに到着するという。
それでも午後7時半発の松山便には十分に間に合う。東京での滞在時間に余裕を持たせていたのは幸いだった。
順調にフライトを続ける飛行機だったが、茨城の上空に差し掛かった時、旋回を始めた。