能登半島地震の被災地では3万人を超える人たちが避難所に身を寄せています。東日本大震災を経験した岩手県釜石市の薬剤師は「支援は必ず来ます。あわてないで」と呼びかけています。
釜石薬剤師会の中田義仁副会長は、2011年3月11日に発生した東日本大震災の際、市の災害対策本部の一員として避難者の薬の確保に当たりました。

当時、着の身着のままで避難してきた人々の中には欠かすことができない薬を家に置いてきた人が多く、中田さんは行政や医師らと連携して薬を調達し、避難所を回った経験があります。

能登半島地震の発生を受けて中田さんは、「東日本大震災は被災地域が広大でしたが、釜石には発生から3日で薬が届き、5日後に医療支援の統率がとれました」と話し、「必ず支援が来ますので薬が無くてもあわてないで」と呼びかけます。
また今後、外部から応援の医師や看護師が派遣されてきた際の対応について、「地域のことを良く知るのは市役所や町役場などの行政です。行政が地域の医療機関の診療キャパシティーや交通機関など生活インフラの復旧の情報を積極的に提供することが、医療支援のスピードを上げることにつながります」とアドバイスしました。
加えて「避難所ではお薬手帳が大切です。避難の際は必ず持って逃げてほしい」と訴えています。