東日本大震災を経験した岩手県釜石市の管理栄養士・千葉忍さんは、能登半島地震の被災地で「食事のケアが必要な人たちが心配だ」と話し、支援の手が差し伸べられることを祈っています。

岩手県釜石市の高齢者施設で管理栄養士を勤める千葉忍さんは3日、「寒くてどんなに不安だろう」と能登半島地震の被災地を思いやりました。

千葉さんは2011年の東日本大震災の時、釜石市内の療養型の医療機関の栄養士として、入院する高齢患者の食事のケアにあたった経験があります。

岩手県釜石市の管理栄養士 千葉忍さん


「当時は備えがなくて“飲み込み”に不安があるお年寄りに水を飲ませることもできませんでした」

能登半島地震の被災地から伝わる報道を見ながら千葉さんが心配するのは、やわらかいものしか食べられない高齢者や乳幼児、そして病気で食事制限がある人や食物アレルギーがある人など、食事に特別なケアが必要な避難者のことです。

東日本大震災のとき、釜石市で保健所の栄養士らがチームを組んで市内62か所の避難所を回り、食事状況の調査を開始したのは被災から4日目のことでした。

千葉さんは「当時は食事のケアが必要な避難者の対応ができず、大きな課題として残りました」と振り返りました。

千葉さんは食事にケアが必要な避難者に一日も早く支援の手が差し伸べられることを祈っています。