仕事納めで、12月29日から1月3日まで、自治体の窓口は福祉、雇用関係も含め閉まります。一方、物価高や不安定な雇用で、仕事や住まいを失った、食べ物が十分に買えない、といった人を支える民間の活動は年末年始も続いています。
NPO法人「わかちあい練馬」の光が丘地域の「夜回り」
東京・練馬区を中心に活動するNPO法人「わかちあい練馬」は週1回、月曜の夜に、光が丘地域で、路上生活状態の人に食料を渡したり、相談を受ける「夜回り」を行ったりしています。
12月25日の「夜回り」では、マイタケのお弁当にみかん、お湯も用意してスープやコーヒーを飲めるようにします。食べ物や飲み物を自転車のカゴにいれ、広い「光が丘公園」の中や周辺を、地域住民のボランティアが1時間半くらいかけて回ります。

「わかちあい練馬」が活動を始めたのは、新型コロナ流行下の2年半ほど前。池袋、新宿、渋谷といった都心で食料配布に並ぶ人たちの長い列はニュースでもよく目にしますが、練馬で無料の食料配布を行ったところ、大勢の人が並んだことから、暮らしている地域の近くで相談できるようにと始まったんです。
夜回りや月初めの相談会、また、電話やメール、SNSなどを通じて随時相談を受けていて、そこでつながり、サポートすることで、「2023年は、5人の方が路上生活から抜け出した」と、事務局長の幸田良佑さんは話していました。その中では、1年かけてつながった人もいます。路上生活の人の置いてある荷物に気づき、その持ち主は仕事に行っているようで、姿が見えませんが、活動のチラシなどを荷物の横に置き続けていたところ、最近になって「わかちあい練馬」に連絡があり、2023年末、その人は住まいを得ることができたそうです。
幸田さんは「お見かけできる方は公園内では減ってきていますが、その中で我々の声かけを通じて、制度に乗っかったりとか相談につながったりっていうことがあります。私たちが『続けていく』ことの意義はそこにあると思います」と話していました。
25日の夜回りが終わると、翌週の月曜日、1月1日の夜回りの相談です。メンバーから「自販機で売っている温かいぜんざいの缶とか用意しておいたらどうだろう」と話も出ていました。

拠点となる事務所もなく、スタッフも少ないのですが、年末年始の相談への対応については、「東京都内、例えば池袋とか新宿で食料支援や相談などの活動をしていますので、状況によってはそういったところをご案内する場合もあります。ですが、お子さんがいらっしゃるとか、高齢であるとか、障害があるという方に関しては、私達の相談員が出向いて、食料をお届けしたり、場所を決めてそこまで来てもらって、相談して食料を渡したりする予定です」ということでした。