早く妻のいるあの世に行って謝りたい
逮捕後に行われた精神鑑定で、犯行時、被告は「軽度認知障がいで、認知症の疑いがあるが(日常生活などの)適応機能は保たれていた」とされた。
また精神科の医師は「親族から金を借りづらい心情で、妻が入院すると生活費が底をつくと計算した」「犯行前、“万策尽きた”状態で、心理的な苦痛が高まり、酒の力を借りて殺害を選択した」と分析。
その背景には“孤独の心理”もあったと補足した。
弁護人:
──孤独だったと指摘されたが、相談できる人は?
「妻には相談できなかった」
──妻以外には?
「親族に電話したら(妻から)“(金を)借りたらいけん”と言われた」
──最後に言いたいことは?
「今になって思うたら、なんていうか…仏さんになったらあの世に行くというけど、私が遠いとこに行けたらすまんやったと言いたくて」