政府は一般会計の総額で112兆717億円となる来年度の予算案を閣議決定しました。

2年連続で110兆円を超える大型予算となった来年度の予算案。半分以上を占めたのは社会保障関係費と国債費です。

医療や年金に充てる社会保障関係費は高齢化に伴い、来年度も過去最高の37兆7193億円に。

さらに、今回、国の借金である国債の返済や利払いに充てる国債費も27兆円あまりと過去最高となりました。

この国債費が今後、国の予算を圧迫する可能性があります。

特に深刻なのが国債の利払い費です。

鈴木俊一 財務大臣
「積算金利の設定や国債残高が増加していること等によって、利払い費は令和5年度当初予算より1.2兆円増加しております」

政府は今回、利払い費を計算する際の想定金利を引き上げました。

これまでは国債の残高が増えても、利払い費はほぼ横ばいのままでしたが、これは低い金利のおかげに過ぎず、今後、一段と金利が上昇すれば利払い費がさらに膨らみ、予算を一層、圧迫する可能性があります。

今後は「金利のある世界」での予算編成が現実味を帯びるだけに、本当に必要な政策を見極めて国債の発行を少しでも抑える努力が、これまで以上に求められます。