谷川浩司 十七世名人は語る「AIで強くなるのであれば、みんな強くなる」
(谷川 十七世名人)
「ベテラン棋士にとって修業時代の学び・考えが常識ではないとわかった。将棋は50代や60代も一から見つめ直さなければいけない。将棋の可能性が広がったとも言える。人間は全てのことを考えられない。定石、本筋をもとに100ぐらいの選択肢から5くらいに絞る。その最初に捨てた95%に良い手が隠れていることもある。それをAIが示してくれることで、新しい可能性が広がった」

AIによる将棋の革新が進む中で、藤井八冠の強さにAIは絶対になくてはならないものなのでしょうか?
(谷川 十七世名人)
「藤井さんの強さはAIも踏まえて、自分の力で考えて、考え抜いたことの積み重ね。これで強くなった。これは間違いない」


(大石アンカーマン)
「藤井八冠の強さは、AIがあったから?」
(谷川 十七世名人)
「1割くらいはあると思う」
(大石アンカーマン)
「1割ですか!」
(谷川 十七世名人)
「AI研究は若手はみんなやっている。AIで強くなるのであれば、みんな強くなる。その中で藤井八冠は突出して実力と成績を残している。(努力が)95%以上かもしれない」

そして、現代の棋士たちにとって根本的に大事なことが一つ。
(谷川 十七世名人)
「大事なのは、AIの指し手を信用しないこと。信用するだけでは、変化に対応できない。きちんと考えて、自分なりの結論を出すことが大事」
谷川浩司十七世名人は「AIを信じきると支配された社会になる。人は考えるから成長する。人間の知力・底力を信じ、棋士も私たちも日々研さんするべきでは?」と静かに語りました。
