陸上界期待の長距離ランナー不破聖衣来(19・拓殖大)が世界陸上の10000mを現地で観戦することを、五十嵐利治監督が明らかにした。

不破は昨年12月に10000mで日本歴代2位となる30分45秒21をマークし、世界陸上の参加標準記録(31分25秒00)をクリア。5月の日本選手権で3位以内に入れば初の世界陸上代表に内定したが、1月に右足のアキレス腱周辺などを痛め、調整不足から出場を断念、治療に専念していた。

先月には、在籍する拓殖大学女子陸上競技部のSNSで練習を再開したことを発表していた不破について、指導する五十嵐監督は「まだ本格的な練習は開始していないが、ジョギングのペース、走りのリズムも戻ってきました」と状態を説明した。さらに「世界陸上オレゴンを観に不破(聖衣来)を連れてアメリカへ行こうと思います」とサプライズ発言がとび出した。世界大会独特の雰囲気、歓声など、テレビではわからないスピードなどを実感して欲しいとの思いからだという。

不破も「実際に出場していたかもしれない大会を観て感じたい。(出られない)悔しさとかいろいろあるけど、自分が出たときの参考に観てきたいと思います」と出場が叶わなかった夢舞台への思いを語った。

■不破聖衣来(ふわ・せいら)
2003年3月25日生まれ、19歳。身長154センチ。群馬県高崎市出身、高崎健康福祉大学高崎高~拓殖大学在学中。
2021年12月関西実業団ディスタンストライアル女子10000mで30分45秒21をマーク、日本歴代2位およびU20日本新記録、日本学生新記録を樹立。
2022年1月全国女子駅伝では4区(4km)に出走し、従来の記録を3秒短縮する12分29秒の区間新記録。トップから1分29秒差の22位でたすきを受けると、13人のごぼう抜きでチームを9位に押し上げた。

(写真は五十嵐監督と不破選手)