桃井さんは大学卒業後、札幌地域労組に就職した。非正規雇用やパート、技能実習生など、会社側に不当な労働を強いられる人たちの支援をしている。声を上げたことで気が付いたことがほかにあるという。
「声を上げてみると意外とできるというか、一歩を踏み出したらその後のハードルが低くなる。選挙に限らずいろいろな場面で声を上げることがある。最近では、ガザの攻撃に反対するアクションにも参加しました。いろいろな場面で声を上げることができるようになりました」(12月14日「深堀TV」でのインタビュー)
東京での先行上映会のとき映画監督の森達也氏とトークイベントを行った。
そのとき司会をしてくれた奥浜レイラさん(MC・ライター)が私に映画の感想を語ってくれた言葉に、女性が涙する理由のヒントがある。
「ヤジ排除の映画を見て、セクハラや性被害があっても『嘘だ』といって黙らされた女性たちの悔しい思いが重なりました。排除の映像をみてあそこに自分がいたらと想像し、涙が出ました。女性たちは『黙れ』といわれて声を封じられて来た歴史があり、それに負けずに声を上げてきた人がいる…だからヤジ排除は私たちの物語だと感じる人も多いのではないでしょうか」

この映画は、声を上げようとして封じられた人、声を上げようか迷っている人、それらすべての人たちの物語なのだろう。4年前に若者たちが上げた声は、スクリーンを通して多くの人に響いている。
「会社が法律を守っていないことがあって、同僚はおかしいと思っても声を上げないのです。しかし私は告発することを決めました」年配の男性
「私はふだん声を上げるような人間ではないのですが、この映画を観て声を上げることの大切さを教えてもらいました。
これからガザの攻撃に反対するデモに行ってきます」20代の若者
「映画を観て良かったです。ありがとうございます。わたし子どもだけど、声を上げていいんですよね!」中学2年生
映画『ヤジと民主主義 劇場拡大版』は全国で順次公開します。
詳しくは映画の公式ホームページ参照。
https://yajimin.jp/