二階派にも捜査 特捜部は覚悟を決めた

小川キャスター:
二階派にも家宅捜索が入ったが、どう感じる?

若狭 弁護士:
極めて象徴的だ。それが何を意味するかというと、二階派にからむ、今回の政治資金、裏金にも、特捜部としては、そこに切り込みますよ、というメッセージと受け止めることができる。

今後、別の派閥に対して、刑事責任を追及しないということになった場合、なぜ二階派は捜索したんだと、特捜部は間違った選択をしたのかと、批判されることがありうる。

特捜部としては、捜索した以上、二階派にからむ誰かは、少なくとも刑事責任を追及するという覚悟のもとで、家宅捜索に入っていると思います。

小川キャスター:
タイミングについてですが、ずっと裏金疑惑について報道がなされていた中、証拠隠滅を図られる恐れはなかったのか?

若狭 弁護士:
証拠隠滅の恐れは、どの事件でもありうる。今回も、場合によっては証拠隠滅がすでにされてるかもしれない。

ただ、証拠隠滅された場合、一時的には、証拠がなくなるということで、確かに捜査上は打撃を受けるが、証拠隠滅をしたということが、関係者の証言や、いろいろな証拠などでわかってくると、証拠隠滅したということが、逆に裏付けられる。今後の取り調べにおいて、追求するネタになる。

藤森祥平キャスター:
国会議員の取り調べと、一般人の取り調べは違う?

若狭 弁護士:
まず場所が違う。政治家の場合は、ホテルの一室で取り調べることが多い。そのホテルは大体、政治家が費用負担して、ここに部屋を取りましたから、ここでお願いします、と言ってくることが多い。

政治家が、霞が関の検察庁に出向くと、非常に目立ちます。取り調べを受けたというだけで、イメージダウンになるので、密かに事情聴取をされたい、という気持ちの表れとして、ホテルを自分から取る。

斎藤幸平 東京大学 准教授:
今後、議員が立件される可能性は?会計責任者だけが、トカゲのしっぽ切りになって終わってしまわないか。

若狭 弁護士:
会計責任者への刑事責任の追及で終わってしまうと、それは特捜部の敗北を示すと思う。

国民がこれだけ着目してるわけですから、本当に悪いことをしている政治家、少なくとも1人は、きちんと裁判にかける、起訴する、というぐらいのことがなされないと、今度は、特捜部に対して、「特捜部にはもう力はないね」「やる気がなかったのね」という批判が起きてしまう。逆に言うと、特捜部は、それだけ本気度を持って、事に当たっている。