政治資金パーティー問題で東京地検特捜部は、自民党最大派閥・安倍派と二階派の事務所への家宅捜索を行いました。家宅捜索から何が見えたのか、元特捜部副部長で弁護士の若狭勝氏に聞きました。二階派の法務大臣については、「即刻交代させるべき」と主張しました。
二階派の大臣続投に、党内から疑問
小川彩佳キャスター:
派閥事務所への強制捜査という異例の事態になっているわけですが、政府、自民党内部の、いまの空気感はどうなっている?
中島哲平 記者:
さまざまなところで、疑心暗鬼、動揺が広がり、がたつきが出始めているように見えます。
特に、安倍派では、高木 事務総長ら、派閥幹部が、かん口令を敷いていると、複数の議員が証言しているのですが、その一方で、派閥幹部から、具体的にどのように対応すればいいのかという指示はなく、派閥内で、困惑、不安の声が上がっています。

また自民党では、政治資金規正法改正などを検討する動きが出ていますが、党内には、かなり温度差があり、自民党が一枚岩になりきれていないという印象を覚えます。
小川キャスター:
温度差がある中、今回、捜査対象になっている、二階派の大臣が続投となっている。これについて、党内ではどんな声が上がっている?
中島 記者:
安倍派の4人の大臣が、14日、事実上更迭されている一方で、二階派の大臣だけが続投ということに対して、その基準は一体何なのか、という疑問の声も上がっています。
確かに、安倍派と二階派では、事情が違うところもあるが、特に、小泉 法務大臣については、検察を所管する法務省の大臣ということもあって、続投が適正なのかと疑問視する声もあります。
今後、岸田総理には、説明責任が求められることになりそうです。

元東京地検特捜部 若狭勝 弁護士:
これは、有無を言わさず、即刻交代させるべきだと思います。
二階派が、今後、刑事責任の追及を受けるとなったら、人情的に、どうにかならないか、という思いを抱いても不思議ではない。そういう状況にあるときに、小泉氏を、法務大臣に置いておけば、検察に対して、指揮をしてくれるんじゃないか、という疑念を持たれてしまう。

そういったことは、すべからくしてはいけない。そういう大臣を置いたままにしてはいけない。これは政治の鉄則だと思います。キックバックがどうという話よりも、さらに重い問題です。それがわからないという事は、やはり、岸田総理は、日本の法制度を理解していないのではと思いますね。