自民党の政治資金パーティーをめぐる裏金疑惑は、きょう19日の強制捜査で新たな局面を迎えました。
これだけ様々なところで報道がなされている中で、もし証拠隠滅がなされた場合、捜査はどう動くのか。
元・東京地検特捜部の若狭勝弁護士に聞いてみました。
強制捜査に至るまでの流れ
任意聴取:議員秘書や派閥の会計責任者など
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任意聴取:安倍派の議員(国会閉会後)
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強制捜査:安倍派・二階派事務所(19日午前11時ごろ)

ホラン千秋キャスター:
若狭さん、この捜査が現在どのような段階にあるのか、解説いただけますでしょうか?
若狭勝 弁護士:
これから政治家にさらに事情聴取をして、「供述調書」を作成していくことになると思います。
供述調書というのは、一旦作られると、それなりに信用性があるものとされていますが、供述調書を作ったあとに、何か違う証拠物が出てきてしまって、供述調書の内容と矛盾するようなことがあってはならない。
ですから今回、捜索をして、証拠物をきちんと集めて、証拠物に矛盾しない供述調書を今後作成していくというプロセスにあると思います。

証拠隠滅のおそれは?特捜部は何をする
日比麻音子キャスター:
その証拠物というのは、具体的にどういったものを狙っているんでしょうか?
若狭さん:
少なくとも特捜部は、派閥の事務総長経験者の責任を追及しよう、という目標を設定していると思います。
そのためには、派閥側の会計責任者に対して、(事務総長が)キックバック分を収支報告書に記載しないよう指示したことが浮き彫りにならないと、事務総長の責任追及は難しい。
ですから、本日の家宅捜索においては、そうした指示をしたというメモや文書、LINEやメッセージなど、痕跡の押収をきちんとする必要があったと思います。
ホランキャスター:
素朴な疑問なんですが、これだけ裏金疑惑が様々なところで報道されている中で、その証拠が仮にあったとしても、「どうにか変えてしまおう/なくしてしまおう」という考えが働いてもおかしくないとは思うんですが、本当に証拠があった場合、どうやって抑えきるんでしょうか?