ことし3月、長崎県佐世保市で同居する妻を殺害したとして殺人の罪に問われている男の裁判員裁判で、男は18日の被告人質問で金銭的な不安などから「殺害を避ける方法は思いつかなかった」と答えました。

殺人の罪に問われているのは佐世保市の無職、前田敏臣被告75歳です。

起訴状などによりますと前田被告はことし3月、佐世保市世知原町の市営住宅の自宅で、当時74歳の妻・英子さんの首を長さ 約20センチの刺身包丁で突き刺し、殺害したとされています。

12月18日の裁判員裁判での被告人質問(長崎地方裁判所)

18日の裁判では被告人質問が行われ、弁護側から事件前日の状況を問われた前田被告は、事件の5日ほど前から英子さんが寝たきりとなり、被告自身も脳梗塞の疑いがあったことから金銭面の不安があり「どうしたら良いのか分からないようなパニック状態だった」と述べました。

そのうえで、前田被告は事件を避ける方法については「私では思いつかない」と答えました。