― 一番印象に残っているピッチングは?
菊池「良いピッチングの時はあまり覚えていない。打たれた時ばかりを覚えているピッチャーなので。三振を取ってうれしいというよりは打たれて悔しいという思いの方がフラッシュバックされる。良いこと悪いことが必ず起きるスポーツ。特に野球は失敗のスポーツと言われていて、いくら良いバッターでも10回中3回しかヒットを打てない。ピッチャーであれば良いピッチャーでも1試合平均3点ぐらい取られてしまうという中で、高い確率でミスをするスポーツ。失敗を次に生かしてがんばる。工夫して次に向かってチャレンジするということの繰り返しかなと思う」

― 対戦した打者の中で誰が手強かったか?
菊池「ヤンキースのジャッジ選手、と言っても(この式の場では)誰も知らないかもしれない。メジャーリーグ・メッツの千賀(滉大)投手と投げ合った。打者ではないが、久しぶりに日本人同士投げ合うというのはすごく楽しかったし、よくソフトバンク対西武でずっと対戦し、投げ合うことも多かった。二人でオールスターで会い、一緒にメジャー行けたら良いねと話をしたこともあった。日本人と対戦するというのは良かった」

― 手強い相手の時はどんなメンタルで向き合う?
菊池「忘れることが大事。良いことも悪いことも。打たれた日も、今日は俺の日ではなかった。明日は俺の日にするぞという感じで、自分をそんなに責めず、今日は今日、明日は明日、明日は俺の日になる、と思うしかない。反省は大事だが、あまり反省しすぎても良くない。逆に良いことを引きずり過ぎても良くない。良いことも悪いことも忘れて次に向かう」