クマによる被害が相次ぐ中、市街地での出没に備える動きです。
市街地に出没したクマを自治体の判断で駆除する「緊急銃猟」の実施に向けて、岩手県と釜石市が合同で訓練を行いました。

この訓練は、「緊急銃猟」を可能とする改正鳥獣保護管理法が1日に施行されたことを受けて実施されたもので、県と釜石市の担当者に加え、警察や猟友会の関係者などおよそ20人が参加しました。

市街地に出没したクマを自治体の判断で駆除する「緊急銃猟」の実施には、職員の関係法令や鳥獣の専門的な知識が求められます。
22日は最初に机上訓練で市街地で猟銃を使用するまでの手順や動きを確認しました。

釜石市では2025年度、クマが市街地に出没し住宅地にとどまったり木に登ったまま動かなくなったりする事案が4件発生していて、緊急銃猟の実施に向けては9月、マニュアルを作成しました。

(県自然保護課 引屋敷努課長)
「きちんと手順に則ってやることの確認。緊急銃猟は危険を伴うものなので、安全の確保と」
(江幡記者リポート)
「果たしてマニュアル通りに実行できるのか?午後はこちらの体育館にクマが立てこもったという想定で実地訓練です」

実地訓練では、通行規制や周辺住民への周知など猟銃使用の判断を下すまでの流れを確認しました。
訓練では野生動物を相手にする難しさと、さまざまな課題が浮き彫りとなりました。

(釜石市水産農林課 正木浩二課長)
「対象のクマがちょっと動いただけでも、またリセットしてゼロからの対処ということがあり。いずれ時間もかかるし、安全確保がすごく大事だなと思いました」

県は緊急銃猟の実施を助言する対策チームを新設していて、今後は市町村の要望に応じて実施の判断をサポートします。