「夫は『無職』とひとくくりにされ、強い憤りを感じた」

 こうした日々の中、女性にとって事件の被害者や遺族らに国から支給される「犯罪被害給付金制度」は支援してくれる“救いの制度”と思っていた。しかし、当時の収入などに基づいて算定される給付金の申請を行なった際に、期待は覆され、”強い憤り”になった。

(夫を亡くした女性)「夫は復職するために、クリニックの『リワークプログラム』に通っている中で犠牲になったのですが、申請窓口で、『無職』とひとくくりにされ、強い憤りを感じたことを、昨日のことのように思い出します」

さらに、収入という無機質で表面的な基準が、夫の“歩み”を否定しているように感じると憤る。

(夫を亡くした女性)「夫が、資格を活かした職に就きつつも、思うように働けず葛藤する姿。リワークプログラムに取り組んでいた姿。収入なんてものを(給付金の)算定基準にした場合、彼の尊厳も、その先にあったはずの未来も、事件によって奪われ、さらに補償の段でも奪われる感覚です」