オリックスからポスティングシステムでメジャーリーグ移籍を目指していた山本由伸(25)がドジャースと合意したと22日(日本時間)複数の米メディアが報じた。ESPNによると、12年、3億2500万ドル(約460億円)で契約合意したという。これまで投手として最高額だったヤンキースのゲリット・コール(9年3億2400万ドル)を上回り、メジャーの投手史上最高額で最長の契約だという。ドジャースはポスティング料としてさらに5060万ドル(約72億円)をオリックスに支払うという。
大谷翔平(29)に続き、ドジャースが今度はヤンキース、メッツら複数球団との争奪戦の末、日本球界最高投手の山本を獲得した。ドジャースはリーグ優勝24回、ワールドシリーズを7度制覇した“常勝軍団”。今季も100勝を挙げたが、地区シリーズで敗退し、“打高投低”の状況だ。
打撃陣では2018年ア・リーグMVPのM.ベッツ(31)、2020年ナ・リーグMVPのF.フリーマン(34)に加え、2023年ア・リーグ本塁打王、MVPの大谷が加入した。しかし、投手陣は13勝でチーム勝ち頭だったL.リン(36)がFAでカージナルスに移籍、同じく13勝でサイヤング賞3度のC.カーショウ(35)はFAとなっていて去就が決まっていない。二刀流・大谷も9月に右肘の手術を受け来季は打者に専念。2022年に16勝を挙げたT.ゴンソリン(29)もトミージョン手術を受け、2024年シーズンの登板は難しい。15日には今季10勝をマークしたレイズのT.グラスノー(30)をトレードで獲得するなどブルペン陣の補強を進めており、山本の加入が熱望されていた。
今季山本は、23試合に先発登板し、16勝6敗、防御率1.21、169奪三振、勝率.727をマーク。史上初となる3年連続投手四冠(最多勝、最高勝率、最多奪三振、最優秀防御率)を達成し、3年連続で沢村賞を受賞するなど、NPBでは現役最高投手と言われている。
国際大会の経験も豊富で、2019年のプレミア12ではこのシーズン経験がなかったセットアッパーで、侍ジャパンの優勝に貢献。21年の東京五輪では予選のドミニカ共和国戦、準決勝の韓国戦に先発し金メダルを獲得した。23年のWBC(ワールドベースボールクラシック)では大谷、ダルビッシュと共に先発投手の一角として活躍、侍ジャパンの世界一奪還に尽力した。
大谷との“共投”は大谷の二刀流復帰が見込まれている2025年シーズンになりそうだ。