自宅から約7キロ離れた路上…“低体温状態”で発見

富山県に住む83歳の男性。

妻に話を聞いていた時、自宅から出て行ってしまう。たびたび家族に黙って家を出て、時には、遠くまで行ってしまうこともあるという。

2023年1月には、気温3.2℃の中、深夜に家を出ていった。

男性の妻
「私がトイレに起きた時になんか変だなと思って、ドア開けっ放しにしてあるし、下降りてきたら、カギ開けてあるし」

男性がようやく見つかったのは、翌朝のこと。自宅から7キロ離れた路上で、うずくまっていた。低体温状態で、発見が遅れていたら命が危なかったという。

しかし、夫にその時の記憶はない。

――こないだ道歩いてたのは覚えている?

男性「道?」
「夜中に」
男性「おらか?」

いつまた出て行ってしまうのか、妻は気が気でない。

2022年、認知症の行方不明者は“過去最多”に

2022年、全国で行方不明になった認知症の高齢者は1万8709人と過去最多。10年前の倍に増えた。

富山県では過去12年間で2765人。うち110人もの人が遺体で発見された。これほど多くの人が亡くなったのには、理由がある。