諏訪広域消防では、こういった軽症の通報であっても原則、すべてに出動しています。

岡谷消防署第二消防係・宮澤純樹さん:
「重症の方や、中には軽症の方いらっしゃるんですけれども、基本的にはどの方に対しても、同じ気持ちで接するようにしている」

高い使命感を持って活動する隊員がいる一方で、軽いけがや病気での要請が増えることで「助かる命が救えないケース」が出ることが懸念されています。

諏訪広域消防警防課・五味五代救急係長:
「岡谷消防署に2台救急車あるんですけれど、例えば2台、救急車呼ばれましたと、岡谷市内で。それで結果それが例えば軽症だった場合に、今度岡谷市内で3件目の救急がかかった場合にはですね、お隣の下諏訪の救急車が来ます。その3件目が重症であったという場合に、時間をかけて対応しなければいけないっていう現象が起こってしまう。救える命を救えない事態というものはぜひとも避けたい」

軽症者が救急車を呼ぶ問題に直面しているのは諏訪地域だけではありません。

香川県とほぼ同じ面積ながら、稼働する救急車が4台のみという長野県木曽地域。

救急車が要請先へ向かうまでに、全国平均の倍近い時間がかかります。

木曽で唯一、救急車を受け入れている県立木曽病院。

軽症者の救急外来の利用が、通常の外来診療にも影響を与えているといいます。

県立木曽病院・濱野英明院長:
「特にこの木曽地域は、医師数とか、そういった医療資源が非常に乏しいところですので、限られた時間で限られた医師で対応しなきゃいけないことを考えますと、最近少し重症ではなくても、救急外来にかかる方が少し増えてるというのは、ちょっと我々も危惧してるとこなんです」