悩める人に寄り添うため…僧侶への道を選択
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そして今年6月。伸子さんはまた一歩、私たちに想像もつかなかった新たなステップを踏み出す。

奈良の生蓮寺。集まったのは初めて顔を合わせる男女8人。その中に伸子さんもいる。緊張感が漂い、みなそれぞれ何か決意を持ってここに集まったように見えた。

しかし、住職はユニークだった。

(住職)「自分がこうなりたいっていう名前を皆さん考えてもらって、それがここでの名前になります。ちなみに私は、蓮和尚(はすおしょう)」

蓮の花が好きで、いつか仏教の本場インドでお釈迦様が見た蓮の種を見つけに行くのが目標だと屈託なく話す。

ニックネームで呼び合う、蓮和尚の提案で、場が和んだ。伸子さんの表情も和らいでいく。

「得度をしようと思うんです」
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お堂に響くお経。伸子さんがここに来た理由は得度、つまり僧侶になるための出家の儀式だ。

(伸子さん)「自分から説明しなくても、そういった“肩書みたいなもの”で、相手も少しは信頼していただけるのかなと思って得度しようと思った」

伸子さんは“僧侶”になる道を選んだ。人に寄り添って話を聞く活動と、僧侶の存在が重なったのだという。

幅広く信条や考え方に触れることで、悩める人に寄り添えるのではないか、とも考えたという。このまま修行を続け今年12月には、正式に出家する予定だ。