「歩く肺炎」と呼ばれる理由は?

では一体なぜ“歩く肺炎”と呼ばれるのでしょうか。その理由には、▼感染から発症までに2~3週間と潜伏期間が長い▼症状が軽く、出歩くことで人にうつしてしまう、ということが挙げられます。

主な感染経路は飛沫感染、そして接触感染が挙げられるということです。

いとう王子神谷内科外科クリニック 伊藤博道 院長
「先月25日、3年ぶりにマイコプラズマ肺炎の患者を確認した」

井上貴博キャスター:
コロナ禍の反動もあり、今年増えているというのが想像できる気がしますけど、インフルエンザと同時感染すると重症化するなんてことも聞きますし、どんなものなのか、まず教えていただけますか。

いとう王子神谷内科外科クリニック 伊藤博道 院長:
「激しい咳」というのが特徴です。最初は渇いた咳なんですが、発症してしばらくすると、湿った咳、たんが絡むような咳であったり、つい最近、私が久しぶりに見かけたマイコプラズマ肺炎の患者さんは結構重くて、たんの中に血が混じってました。

大人の方でしたが、元々の基礎疾患の喘息もありましたので、ゼーゼーヒューヒューと呼吸も苦しそうでした。基礎疾患のある方は、特に重い肺炎になりやすいので要注意です。

ホラン千秋キャスター:
症状が悪化すると激しい咳に、ということでしたが、罹患した方の何割ぐらいが症状悪化してしまうでしょうか。

いとう王子神谷内科外科クリニック 伊藤博道 院長:
詳しいデータは持っていませんが、おそらく2割~3割くらいは下気道に行って、肺炎になってくると思います。

なので、できれば上気道の気管支の辺りにマイコプラズマがいて炎症を起こしてるうちに見つけて治したいところですが、肺の方までいってくると、若い人でも結構重くなってきます。
おおよそですが、20~30%ぐらいはそういった肺炎になってるのではないかと思います。

ホランキャスター:
軽くても咳が治まるまでに時間がかかるものなんですか。

いとう王子神谷内科外科クリニック 伊藤博道 院長:
やはり咳が長引くと気道の上皮が強く障害を起こしますので、その気道の上皮が修復してくるまでにやっぱり2~3週間以上はかかると思いますので、粘り強い治療が必要になることが多いですね。