海外での利用経験者は賛成8割超。タクシー運転者15年で4割強減

タクシーとライドシェアの比較から見よう。運転手は、タクシーは二種免許を持ったプロのドライバーなのに対し、ライドシェアは一種免許の一般人。車は、事業用の車か自家用車かの違いがある。事故対応については会社で行うのか個人で対応するのかといった違いがある。

――海外で利用経験がある人は賛成が8割を超えるが、利用経験がない人の賛成は3割ちょっとだ。
千葉商科大学教授 磯山友幸氏:
特に不安があるかどうかという聞き方をすると、利用したことがない人はやはり不安だと。
――タクシーは安全で、ライドシェアに乗ったら事故に遭うとか、いろいろな犯罪に巻き込まれる可能性が高いという言い方がされている。
千葉商科大学教授 磯山友幸氏:
実際には犯罪を防ぐような工夫がアプリにはされていて、運転手の顔がわかるとか、評価がわかるようになっているわけです。その辺のイメージは使ったことがない人にはわからないということなのでしょう。
――地方の特例があるが、ドライバーが報酬を得られないという枠組みの中では、今の特例だけでは足りないということか。
千葉商科大学教授 磯山友幸氏:
地方の特に過疎地は圧倒的に二次交通がなくなっているということなので、ライドシェアの本来の議論とちょっと違うという感じがします。何か支える方法を考えなければ地方はもう無理です。ライドシェアを入れなければいけないのは都市部です。圧倒的にタクシーが足りなくなっているので。

タクシー運転者の数は2021年の時点で22万1849人と、15年前の2006年から約16万人も減少している。平均年齢が60.9歳と60歳を超えている。
――平均年齢が高いということは、これから先もっと減る可能性もある。
千葉商科大学教授 磯山友幸氏:
高齢の方がすごく多く、その人たちが70を超えてきて、そろそろ引退という感じに入り始めて、多分これから5年間ぐらいはもっと運転者が減ると。そうすると公共交通としての存在が危ういという感じ。もう今バスで始まっています。
――タクシーの規制緩和をやって運転者を増やすことをやればいいし、ライドシェアという新しい経済のメカニズムのオプションがあってもいいではないかという議論もある。
千葉商科大学教授 磯山友幸氏:
新しいシェアエコノミーのサービスとして、タクシーと違うと思います。タクシーは安全安心だから残ると思います。一方で新しい形のサービスは認めても全然問題ないと思うのですが、タクシー業界大反対ということで。
やれない理由を探すよりもどうやったらやれるのかという建設的な議論に結びつくといいのだが。
(BS-TBS『Bizスクエア』 12月2日放送より)