他の部局にも影響はないか懸念も…

藤森祥平キャスター:
【国交省の研修で使用された教材】
対応が困難と思われるクレーマーのタイプ
・作為〈不当クレーマー〉
・軽度の人格障がい〈不安神経症、パラノイア〉
・発達障害〈アスペルガー〉
・加虐的快楽(あやまれ、土下座しろ)
〈偏った自己愛〉
・興奮性自己崩壊(自己不確実)
・ひまつぶし/かまって欲しい
〈会社に残りたい症候群、暴走老人〉
・非常識〈モンスター・クレーマー〉
個人での対応は無理→組織で対応
国交省の研修で使用された資料の一部ですが、「対応が困難と思われるクレーマーのタイプ」としてカテゴリー分けされています。研修を担当した会社の社長は「悪いつもりで言ったわけではない。差別意識は持っていなかった」ということなんです。

この研修資料について、道徳教育が専門の大東文化大学の渡辺雅之特任教授は、▼ひとくくりにするバイアス・偏見がある。それから、▼排除の論理で、いかに相手を黙らせて納得させて、引き下がらせるかという視点になっている。これは「差別そのもの」であるという指摘でした。
小川彩佳キャスター:
この資料自体は研修を担当した会社が作ったものではありますけれども、国交省はこの資料を10年にわたって採用して、実際に研修を行っていたということなんですよね。

慶応大学医学部 宮田裕章 教授:
まず渡辺先生がおっしゃるように差別そのものなんですよね。それを認識できていないという状況。それが10年続いたこと。ここにやはり根深い問題がある可能性があるんですよね。
やはり今デジタルで何をするかというと、顧客や生活者など、その利用者の視点に寄り添って再構成していくということなんですね。それと真逆の、完全に分断があり、いわゆるサービス提供者に対しての想像力が欠如した状態というのが続いてきていると。
これが他の部局にも影響を及ぼしてないかどうかも含めて、やはり組織的な風土・文化を見直す必要があるのかと思います。
小川キャスター:
今回の研修資料には明確な差別表現が含まれていたわけですけれども、この10年というのは世の中の価値観が大きく変化した10年でもあったわけで、漫然と踏襲していたものの中に見過ごされていたものがあったのかもしれないですね。

プチ鹿島さん:
排除の論理というのは言ってみれば、自分中心の論議ということでもありますよね。それで思い出したのが、2018年に中央省庁が障害者雇用で水増しをしていたというのがわかったんですよ。
その中で国交省は、2番目に多かったと記憶しています。つまり、法定雇用率を上げるために、見せかけの数字を上げていたということで、当事者と向き合っていなかったというのは当時も言われましたよね。
「差別はよくありませんよね」とは言うんですけども、続いてるのかなというのは思いました。














