家を無くした男性「何も進んでいない、行政自体が」

 一方、生活再建の見通しがたたないという人もいました。

 (避難生活を続ける男性)
 「家が無くなっちゃった。今話している彼とは家が隣同士でさんざん毎日顔を合わせていたのが、もう会わなくなっちゃって。ちょうどいい機会だし『久しぶりだね』ってきょう参加した」

 男性は住み慣れた自宅を離れ、アパート暮らしが続いているといいます。

 (避難生活を続ける男性)
 「まだ何も進んでいない、行政自体が。土地もいろんな部分も。先のことを考えても憂鬱になるだけだし、もう年だから、じゃあ復興したら『家を建てるの?』って、そんなこと考えてないよね、考えられないよね。ということは元の家には戻れないということ、現実的にね。本当に困っている人たちがいるわけだから、そういう人たちにある程度手を差し伸べる。手を差し伸べるっていうのはかっこいい言葉だけど、要はお金だよね」

避難生活を続ける漁師「仕事ができる状態になっていない」

 住宅の被害は深刻で、全壊・半壊した家の数は計64棟に上ります。漁師の男性は…。

 (避難生活を続ける漁師)
 「家が無くなって、船1艘(そう)ダメになって、職場がダメになって。1年経っても水道・電気もまだ。仕事ができる状態になっていない。(Q港が?)はい。(港は)未だに雨が降ると泥水が流れて茶色になる。お手上げの状態で。いろんなところに責任があるんだろうけど、僕らには何も責任がない訳だから、せめて仕事ができるくらいの状況は行政で面倒を見てくれてもいいんじゃないか」

 1年という月日の中で、土やガレキは少しずつ片づけられ日常の姿を取り戻しつつあります。しかし、遺族や住民たちが元の生活を取り戻すには、まだまだ時間がかかりそうです。