東日本大震災で津波に流された岩手県大船渡市三陸町の中心部に、四輪車のオフロード走行を体験できるコースがオープンします。Uターンした男性がふるさとににぎわいを取り戻したいと、整備に奔走しました。

「おおっ!おおおっ!」


不規則に敷かれた丸太や、V字に盛られた土、あちこちに置かれた石。
12月3日、できたばかりのオフロードコースで走行の体験会が行われました。


通常の道路では味わえない体を揺さぶられる乗り心地に体験者は思わず声が漏れます。


大船渡市三陸町越喜来にこのコースを整備したのは、越喜来出身の中村晃也さんです。


草や木が茂り、荒れた土地が目立つこの場所はかつて店舗兼工場がありました。


震災前は住宅や商店が立ち並んでいましたが、東日本大震災による津波が海に近かった越喜来小学校をはじめ、多くの家や店を飲み込みました。

被災した土地はほとんど活用されないまま、12年以上が過ぎていました。

(中村さん)
「これはボディの下を打たないように角度を調節しています」

中村さんは高校卒業後、関東で働き、40年余り地元を離れていました。おととしふるさとに戻り、その風景を見て感じたことがありました。


(中村さん)
「やはり地元の人たちが12年間そのままになっている土地を見て寂しいんじゃないかと思って。何か活用方法があれば、そこで何か始めたぞって地元の人たちを勇気づける意味にもなるんじゃないかなと思って」

そこで思い付いたのが、自身の趣味であり、広い土地が必要なオフロード走行のコースでした。