史上最年少15歳7か月でバスケットボール日本代表候補にも選出された経験のある横浜ビー・コルセアーズの田中力(21)がU15の公開練習に参加し、単独インタビューにも応じた。
田中は横浜BCバスケットボールアカデミーU15の出身。2017年に行われた都道府県対抗ジュニアバスケットボール大会の決勝では、59得点中34得点の大活躍で大会MVPを獲得。
高校入学と同時にトップアスリートを養成しているアメリカのIMGアカデミーに進学し、本場アメリカのバスケットボールを体感した。大きく成長した田中は、10月27日に地元・横浜を拠点にしている横浜BCに特別指定選手として加入。2日後にはBリーグデビューを果たし、出場時間3分41秒で2得点&3アシストをマークする活躍を見せた。
バスケの本場アメリカで学んだ「自信を持つこと」
横浜BC・U15の公開練習に訪れた田中は、中学時代を過ごしたアカデミーの後輩たちを見て「とても懐かしい気持ち、お世話になったチームに恩返しをしたい」と目を輝かせた。
中学卒業後、単身で海を渡りバスケの本場アメリカでスキルだけでなく、メンタルも磨いた。「アメリカと日本のバスケの違いは自信の強さ。コート上でリスペクトを勝ち取るには、自分を信じないといけないということを一番学んだ」と語る。
練習の合間には選手たちを呼び止め、アドバイスを送るなど積極的に声をかけた。U15キャプテンである渡邊聖(せな)選手に対しては「自信もってプレーした方がいい。やれば出来るんだからもっと仲間を鼓舞するべきだ」とチームOBとして後輩に向けてアドバイスを送っていた。そんな田中を真剣なまなざしで見つめるU15の選手たちは来年1月にJr.ウィンターカップを控えている。
日本一を目指す後輩たちにとって大先輩からのアドバイスは響いたようだ。
地元・横浜BCで目指す初の日本一!
10月にBリーグデビューを果たした今の心境や横浜BCのチームメイトとの関係性について「良い先輩、良いスタッフに囲まれて環境に恵まれている。感謝と楽しみな気持ちが大きい」と笑顔で応えた。
特に中学時代からの仲であるチームメイトのキング開(23)のことは、兄弟のように慕っており、チーム練習を終えた後の自主トレーニングも共に汗を流している。
今年のW杯(8月~9月)で、同年代・河村勇輝(22)らの活躍には刺激を貰ったようで、「試合を観ていて“やってるじゃん、自分ももっと頑張ろう”と思った。いつかそういう立場にいて、やりたいなという気持ちがあった」と日本代表にも意欲を見せた。そして、「横浜BCのチームでやらないといけないことをやっていけば、結果はおのずとついてくるので、1日1日頑張って集中してやるしかない」とまずはBリーガーとしての成長、その先の日の丸を背負った姿を描く。
横浜BCへの加入の決め手も「地元に戻ってプレーしたい、家族の近くにいたいという気持ちがあり、日本でバスケしたいと強く思っていた」と話す。
地元・横浜の地で馴染みのある環境、昔ながらの友人、そばで支えてくれる家族と共に目指すのは「日本一」。「チームの目標はもちろん日本一。個人の目標はそれにどう貢献出来るか」と横浜BCというチームを中心に未来を見据える。
アメリカで鍛錬を積んだ田中は思い入れのある地元・横浜BCを創設12年目で初の「日本一」へ導くラストピースとなれるのか。“若き海賊”の航海に今後も注目していきたい。
【田中力 プロフィール】
2002年5月4日生まれ。横浜BCバスケットボールアカデミーのユースチームであるU15の出身であり、史上最年少15歳5ヶ月で日本代表候補に選出。ユース所属後は、世界最高峰のスポーツエリート養成機関であるアメリカのIMGアカデミーに進学。そして、今年10月27日に横浜BCのトップチームと特別指定選手として契約。再び横浜に戻ってきた田中は10月29日に行われた広島戦でBリーグデビューを果たしBリーグ初得点もあげている。














