小笠原義泰(よしひろ)裁判長

 判決理由として旭川地裁は、下記のように指摘しています。

■判決理由

・妻のBさん、小学生の娘、隣人Xさんの証言は一致しており、信用できる
・被告人の証言は信用できない
・人を死亡させる危険性の高い犯行で、殺意が認められる
・犯行時は急性ストレス障害が一定程度あったが、完全責任能力あり
・犯行中もAさん、Bさんを認識できていた
・子どもの“いたずら”があったとはいえ、常軌を逸した犯行
・真摯な反省は見られない
・犯行は残忍で、結果は重大

■きっかけとなった小学生の娘の“いたずら”

<検察>
・Aさんの長女(当時11歳)は友人と下校中、被告宅前で玩具の銃の弾=BB弾を拾う
・直径わずか5~6ミリのプラスチック製
・カーポート奥の玄関前に投げつける
・被告はカーポートに設置した防犯カメラの映像を自室で見て、外に出る
・「おまえら、何やってるんだ」と2人を怒鳴りつける
・友人のカバンを蹴り、中の水筒を凹ませる
・2人に住所と名前をノートに書かせる

きっかけは、AさんとBさんの小学生の長女が川口被告宅に投げたBB弾

 <上記以外の長女の証言>
・何度も「ごめんなさい、すみません」と謝った
・算数のノートをちぎられ、名前、電話番号、学校名、担任名まで書かされた
・ママに話すと、謝りに行くことになった

<被告>
・2人それぞれ3~4回、振り被って何かを拾って投げてきた
・砂利のところにいたので、石ではないかと思った
・「おまえら、何やってるんだ」と、普通よりは大きな声を出した
・2人は動かず、無言
・「人の家に物を投げちゃダメでしょ、どうして投げたの?」と問う
・どちらか1人が「ハエのような虫」と答える
・歩道の荷物の上をまたぐように歩くと、左足が当たった
・蹴ってはいない
・もう一度「どうして投げた?」と問うと「ハエのような虫」と答える
・その後、1人が「BB弾」と言って、掌に1つ持っていた
・学校に連絡するつもりで「学校と先生の名前を教えてくれる?」と言った
・手元に紙が無かったので、女の子のノートに書いてもらった
・そのノートを破ってもらい、私がもらった
・「正直に答えてくれたから、お父さんやお母さん、先生には言わないからね」と言った