最大3915万回線が影響を受けたKDDIの大規模通信障害。最初は“15分の通話不通”だった被害が、なぜ“大規模通信障害”にまで拡大したのか?そもそもの通話・通信の仕組みから紐解いていきます。

■大規模通信障害が起きたワケ

ホラン千秋キャスター:
なぜこういったことが起きたのか、経緯を見ていきましょう。

通話と通信の両方を見ていこうと思います。まずは通話です。

通話をかけたいと思った方が電話発信すると、「コアルーター」を通って、「交換機」に繋がって、相手と通話が行えます。今回の障害が起きた発端は、コアルーターという部分を定期メンテナンスで交換しようとしたときに障害が発生して、“音声通話が15分間できない状況”になりました。トラブルを受けて、コアルーターを交換せず戻すのです。そうしますと、電話が繋がらないと思って大量の人が電話をかけていると、コアルーターを通って一気に交換機の方にアクセスが集中します。

その結果、今度は交換機の方が音を上げてしまったのです。アクセスが集中して回線が混雑。通話がしづらい状況になりました。
では、なぜ通信の方も繋がらなくなったのか?電話をかけるときに、例えば赤坂にいる井上さんが赤坂にいるホランに電話をかけようとします。

そうしますと、「加入者データベース」というところに、誰がどこから通話・通信を行ったかなどの登録を行うそうです。ただ、ここもアクセスが集中すると通信しづらい状態になります。ですので、アクセス集中を解決しようと通信制限をかけ、さらに追い打ちがかかることになったのです。その結果、通話も通信も繋がらなくなってしまったということです。

■問われる“情報公開”のあり方

井上貴博キャスター:
今回、会社の“情報公開のあり方”も指摘されていて、会見で社長は、最初の段階では「わからないことが多いので、ふいに情報発信すると混乱してしまう」とおっしゃっていました。しかし、例えばですけど、コアルーターがパンクしたことがわかったのであれば、「とにかく今は電話だけはかけないようにしていただけないですか」とユーザーに言っておけば、ここまで被害が広がらなかったのではないかという専門家もいらっしゃいますね。

スポーツ心理学者(博士)田中ウルヴェ京さん:
例えば高橋社長は元々技術の方だと聞いています。説明の仕方がすごく良かったとも皆さん言われてますよね。同時に、障害が発生した時にどの程度にわかっていたのか?いろいろ知りたいですよね。何が良かったのかを検証することは私達の今後に繋がってきますよ。

井上キャスター:
情報公開がいかに大切かというところもあるのだろうと思います。