年末年始に花園ラグビー場で行われる全国高校ラグビー大会。11月23日(木・祝)、最後に残っていた愛媛と長崎の決勝戦が行われて、出場51校が決定。25日(土)には、シード委員会での選考を経て、シード校13校が発表されました。

壮絶!引き分けに終わった長崎県大会決勝

 例年ハイレベルな戦いが繰り広げられる長崎県大会決勝。今年は、春から県内のタイトルをすべて獲得してきた長崎南山と6年連続の花園出場を狙う長崎北陽台の注目の対決となりました。前半、先にペースをつかんだのは長崎北陽台。試合前、斎藤剛希主将が「コンタクトの部分で(相手を)圧倒したい」と話した北陽台。試合開始からFW陣が接点で長崎南山を圧倒します。開始4分、FWの執拗な連続攻撃からNO8久保太進選手が先制のトライを奪うと、8分にも力強い突破からFL森下大翔選手がトライ。14対0とリードします。

 対する長崎南山もこの後反撃、14分には、U17日本代表候補にも選ばれたプロップ本山佳龍選手が体重123キロを生かしたパワフルな突進でインゴールにとび込んで、7点を返します。しかし21分、長崎北陽台が突き放します。今度は得意のモールをつくるとそのまま押し込んでトライ。さらに、1トライを加えて26対7とリードを19点にひろげます。それでも、ゲームキャプテンを務めた山下蓮選手が「とにかく結果、結果を出そう」と気合いをいれて飛び出していった長崎南山、ここから、持ち味の走力を生かして反撃に転じます。前半終了間際にグランドを広く使った攻撃で、1トライをかえして14点差に詰め寄ると、久保田一平監督が「とにかく勝つことだけを考えろ」と送り出した後半、この1年、フィットネスとスタミナ強化にはこだわってきた選手たちが躍動します。

 後半3分、SH山下蓮選手がブラインドサイドをついて一気に前進すると、フォローした山下悠希選手がトライ。ゴールも決めて7点差に詰め寄ります。そして9分、BK陣の鮮やかなサインプレーで、北陽台のゴールラインに迫ると、最後は、山下蓮選手が、今度は、パスダミーから中央にトライ。慎重にゴールも決めて、ついに26対26の同点に追いつきます。残り時間20分あまり、ここからは、両チームの勝利への執念ぶつかり合い。北陽台がFW陣で前に出ると、南山はBK陣が果敢な仕掛け、しかし両チーム反則も犯さない規律の取れた粘り強いディフェンスで得点を許しません。

 そして、ついにノーサイド。両チーム死力を尽くした戦いは、26対26の引き分け、2011年以来12年ぶり県大会両校優勝となりました。トライ数、ゴール数ともに同数の両校、花園への出場は、抽選の結果、長崎南山に決定しました。