この時期にニュースでよく聞く「初霜」や「初雪」。これは各地の気象台が「冬の季節現象」として観測しているもので、気象予報士は「冬の初モノ」と呼んだりもします。仙台管区気象台は今シーズン、すでに蔵王と泉ヶ岳の初冠雪、仙台の初霜と初雪を観測していて、残る「初モノ」は仙台の初氷と初積雪となりました。このうち初氷は、気象台の「露場」(ろじょう)と呼ばれる観測用の敷地内に置かれた容器の水が秋以降に初めて凍った日のことをさします。凍ったかどうかは気象台の職員が目視で観測しています。

気温2度でも氷が張る?そのワケは?
ところで、水は0度で凍りますが、過去に仙台で初氷が観測された日の最低気温を調べてみると、0度以上の日が多く、2度台で観測された日もあります。

これには(1)空気の性質(2)気温の観測・予報方法の2つが関係しています。冷たい空気は重いため、良く晴れて風が弱い朝などは上空よりも地表付近の方が気温が低くなります。また、気象庁では気温を地上から1.5メートルの高さで観測しており(一部例外あり)、予想最低気温も1.5メートルの高さの気温を予報しています。このため、予想最低気温が2度くらいでも、地面のあたりは0度以下まで下がって水が凍ることがあるというわけです。