ホテルを特徴づけていた「大道門」
山城東雄さん
「これは当時どこにでもある琉球石灰岩をこういう形を作って積み上げている。さらにその上に芯にはコンクリートが入っているが、赤瓦を乗せていくという。南国的な情緒・デザインでこのホテルを特徴づけていた」
敷地を囲う瓦石垣と一体となって沖縄らしさを印象づけるのが「大道門(うふどうもん)」です。
山城東雄さん
「やっぱり沖縄を代表するような赤瓦で作ったのが特徴ですよね。棟飾りも通常より厚いですよね、高いです」
Q棟飾りが厚いことによってどんな効果をもたらしているんですか?
「やっぱり柱の大きさに対してのバランスもあるし、美しさを出すためにこうしていると思う。綺麗ですよね」
コンクリート造りで堅牢かつ優美な佇まいの大道門。仲座が復元した守礼門を模したとされています。
そして、1960年に完成した旅館棟はー
山城東雄さん
「あの門から入ってくるお客さんを大手を広げて迎えるようなコの字型で当時は割と高台になっている。見晴らしが良かったと思います。ロビーにも、仲座ならではのこだわりが見られます。吹き抜けの階段が非常に特徴でね。広く見せているんですよね」
「階段を全てオープンにしているっていうのが良いと思いますね。段板というが、軽やかに見せるためにこういうギザギザの厚みを見せないような感じでね、軽やかさを演出しているんですね。それほど大きくはないけれどもそういう空間のデザインが建物の魅力を作り出している、大きく見せるというのはあったと思いますね」
沖縄ホテル3代目支配人 宮里公宜さん
「沖縄の風土・歴史に沿った景観、もしくは建物が再び同じ建物が作れないと言われるような。よりそこを強調してお客様により親しまれるようなホテルにしていきたいなと思います」
近代建築の中に沖縄らしさが溶け込む沖縄ホテル。これからも無言の語り手として、沖縄建築の魅力を後世に伝えます。