国の登録有形文化財に、岡山県の笠岡市・井原市の2か所にある9件の建物が登録されることになりました。

笠岡市神島の長鋪家(ながしきけ)住宅です。

登録されるのは、このうち主屋と内蔵、内門の3件です。

廻船業や塩田の開拓によって栄え、地域の有力者であった名家の主屋は江戸時代末期に建てられたとされています。

内部の座敷は、訪れた人をもてなす客間になっていて、上質な造りとなっています。

また、敷地内の内蔵は重厚な外観が屋敷の景観を引き立て、

庭を区切る内門も神社の建築様式を採り入れた贅沢な造りで、旧家の格を示すシンボルとなっています。

笠岡市内の登録有形文化財は真鍋家住宅に続いて2か所目となります。

一方、井原市では、芳井町簗瀬にある山成酒造(やまなりしゅぞう)の店舗兼主屋や離れ座敷など、明治から大正にかけて建てられた6件が登録されます。

山成家は庄屋を務めた家柄で1804年に酒造りを始めました。

1877年に火災で建物の大半を焼失しましたが、

その後の再建や改修を経て明治以降の歴史的景観を今に伝えています。

大正時代に再建された離れ座敷は客をもてなす格のある建物で、敷地の景観を彩っています。

今回の登録で、岡山県内の登録有形文化財は109か所、362件になります。