“世界につながる走り”をクイーンズ駅伝で見ることができる。
女子駅伝日本一を決めるクイーンズ駅伝が11月26日に、宮城県松島町をスタートし、仙台市にフィニッシュする6区間42.195kmのコースに25チームが参加して行われる。個人で注目したい選手は数多くいるが、中でも新谷仁美(35、積水化学)と廣中璃梨佳(23、JP日本郵政グループ)の2人は世界陸上の入賞経験者だ。
新谷は13年世界陸上10000mで5位。そのシーズンを区切りに一度は引退したが、18年に現役に復帰。19年世界陸上10000mは11位だったが、その後横田真人コーチとの信頼を深め、20年には30分20秒44の日本記録を打ち立てた。新型コロナ感染拡大の渦中ではあったが、その年の世界2位という破格のタイムだった。22年からはマラソンにも本格的に取り組み、今年1月のヒューストン・マラソンでは2時間19分24秒(日本歴代2位)と日本記録に12秒と肉薄した。
廣中は21年の東京五輪10000mで7位に入賞。22年の世界陸上オレゴンでは入賞こそ逃したが、30分39秒71の日本歴代2位、その年の世界15位のタイムを大舞台でマークした。そして今年の世界陸上ブダペストで再度、7位入賞を果たした。
2人のクイーンズ駅伝の走りは、世界を感じさせてくれるはずだ。
直前の取材に「例年と同じ」と話した廣中
昨年は2人とも3区で、スリリングな競り合いを展開した(「新谷、廣中、一山がデッドヒート 前回3区で“史上最高”と言われた競り合いが実現した背景は?」参照)。結果的に区間賞は1秒差で新谷が獲得し、廣中は中学時代から続いていた駅伝の連続区間賞が途切れたが、トップで4区に中継して役割を果たした。
今回の起用区間は前日(25日)の区間エントリー発表までわからないが、廣中は3区の可能性が高い。
日本郵政の各選手の走力を見ると、15~17年の3シーズン連続世界陸上と五輪のトラック代表だった鈴木亜由子(32)にも、3区の可能性はある。だが10月のMGC(マラソン・グランドチャンピオンシップ。パリ五輪代表3枠のうち2人が決定)を走り、来年3月にもマラソンを走るスケジュールを考えれば、鈴木は昨年と同じ5区になるだろう。同じ10km区間でも、競り合いになることが多い3区は廣中になる可能性が高い。
廣中は今年の駅伝への抱負を「例年と同じようにどの区間でも対応できる対応力と、全員駅伝として、選手1人1人、そしてスタッフ1人1人、同じ思いで、最後までタスキを、今できる最大限のパフォーマンスができたらいいなと思います」と、TBSの取材に対し答えている。
「どの区間でも」と話したのは、当然3区を走る気持ちもあることを意味している。昨年の3区は序盤で廣中、新谷、加世田梨花(24、ダイハツ)の3人が集団を形成したが、廣中が常に引っ張った。「今できる最大限のパフォーマンス」と話したのは、今年も自身のリズムで押し切る走りをする意思表示だ。














