高校進学への大きな壁「評定・内申点」の問題
同時に、課題も現れています。こちらは「WING SCHOOL」(ウィングスクール)の中学3年生。
中学3年生 男子 私立志望「先生が付き添ってくれるから、一対一で(勉強を)やってくれます」

中学3年生 女子 公立志望「将来は心理学について学びたいと思っている」

高校進学を目指す生徒たちの前に大きな壁があるといいます。
田上校長「評定の問題で、うちみたいな学校に来ると地元の学校に行ってないということで、評定が低く出がちなんですよね」

熊本市内の私立の進学校に通う「WING SCHOOL」(ウィングスクール)の卒業生。高校の通知表はほとんど「5」、学年で10位以内に入るほどの成績ですが、在籍していた中学校の通知表では音楽や体育などの教科は全て「1」の評価でした。

高校1年生「納得はできないですよね、これが自分の本当の評価だとは思えない」

この内申点の低さもあり、公立高校の後期選抜で合格ラインを十分に超える点数を取ったものの不合格となりました。
「WING SCHOOL」(ウィングスクール)での学習状況は在籍する小中学校に通知されますが、それが内申点に反映されるかは学校の判断となっているのが現状です。
卒業生の父親「(内申点に)転記していただきたいという思いで学校の方に相談してみたんですけど、『いまのところ転記はできません』と」

この問題に対して、熊本市教育委員会は、「すぐに評価を統一するのは難しい」としつつ、今後は学校に来ていない子どもと保護者に、現在どのように評価しているか説明する機会を増やすよう促したいとしています。
田上校長「連携して、協力して、その子の不利益にならないようにできればなと願っています」