今シーズン、残り2試合となった男子ゴルフ。今年で42回目の開催となる「カシオワールドオープン」が11月23日に開幕する。1981年に鹿児島県の指宿ゴルフクラブで幕を開けたこのトーナメントは過去にタイガー・ウッズやフィル・ミケルソンも出場した国内屈指のビッグトーナメントだ。闘いの舞台はツアー屈指の雄大なコース、高知県の「Kochi黒潮カントリークラブ」。注目はクライマックスを迎える賞金王争いだ。賞金総額2億円、優勝賞金4000万円の今大会の勝負の行方が賞金王争いを左右する。
カシオで優勝すれば初の賞金王に
現在の賞金ランクトップは中島啓太(23)。2位に金谷拓実(25)、3位に蟬川泰果(22)と20代の選手が躍動している。トップに立つ中島は、今シーズン3勝、さらにベスト10入りが20戦中15回と安定したドライバーを武器に好調をキープ。2位に約4033万円の差をつけていて、今大会で優勝すれば賞金王に決まる。中島に賞金王への意気込みを聞いた。
Q:カシオワールドオープンにどう挑みますか。
中島:
カシオワールドオープンは相性がいいと思っているコースで、コースもグリーンも好きなので、昨年もトップ10に入ることができたので、今年は優勝できるように頑張りたいと思います。

Q:選手としては相性があるんですか?
中島:
相性はあると思います。カシオワールドオープンはすごくいいイメージを持っています。コースも広いですし、風が吹くんですけど、その風もそんなに嫌いではないので相性いいと思ってます。前の日の夜に一回頭の中でラウンドして作戦考えたりとかっていうのはするので、それでもいいイメージは湧いてるかなと思います。
Q:優勝賞金4000万円。これを獲れば明るい未来が見えてきそうですが。
中島:
そうですね。一打一打が大事になってくるので、集中してカシオでも優勝して賞金王になれるように頑張りたいと思います。
同世代のライバル 金谷拓実は尊敬できる先輩「一番勝ちたい」
賞金ランク2位の金谷は、2年ぶりの今大会出場となる。金谷は前回、優勝争いを演じるも最終日にスコアを伸ばしきれず4位タイ。それでも相性の良さを見せたこの大会で初優勝を狙う。ライバルの金谷についても中島に話を聞いた。
Q:金谷選手はどんな存在ですか。
中島:
アマチュアの頃からずっと遠征も行ってきましたし、すごくストイックな方なので、一番身近な尊敬できる先輩で、一番勝ちたいと思うような選手です。
Q:なかなか同世代でそういう関係性を持てる人はいないと思いますが、ライバルというのは当てはまりますか。
中島:
ライバルっていう風に僕は思ってますし、金谷さんもライバルっていう風に言ってくれたので、すごく嬉しかったです。

Q:金谷さんというライバルの存在は自分にどんな影響を与えると思いますか。
中島:
刺激になりますし、本当に金谷さんの存在は自分にとって大きいので、負けないように練習をたくさんして勝ちたいなと思っています。
Q:普段はフランクに会話するんですか。
中島:
もちろん試合から離れたら全然楽しく会話します。ただ、試合中はもうお互い勝ちたいと思っていると思うので、ほとんど会話はしないです。
Q:なかなかアスリートの世界でライバルと明言している人はいない中で、お互いがそうやって言える関係性はどうですか。
中島:
すごくありがたいと思います。金谷さんも海外に行きたいっていう風に思っていると思うので、一緒に海外でまた優勝争いできるようになれればいいなと思います。
勝ちきって賞金王に 来年アメリカツアーに挑戦したい
Q:賞金王への思いは?
中島:賞金王になると、来年の海外への挑戦がしやすくなったりとか、いろんな道が見えてくるので、賞金王になることが今は一番の目標になっています。
Q:中島選手にとって賞金王というのはどんなものですか。
中島:シーズン序盤はそんなに意識はしてなくて、ただゴルフで勝ちたいっていう思いだったんですけど、途中から意識しましたし、また一緒に争っているのは金谷先輩ということで、最後勝ちきって賞金王になって来年海外に挑戦したいなっていう風に思ってます。
Q:賞金王争い、よく知っている先輩との戦いになりますが。
中島:
一番身近で尊敬できますし、金谷さんのゴルフスタイルも全部知ってるので、一緒に優勝争いしたら一番手強い選手っていうのも分かってますけど、やっぱり初優勝した時は金谷さんとプレーオフして勝ち切れたので、もう一回勝ちたいなと思ってます。

Q:海外挑戦も視野に入れてると思うが、来シーズンはどこを目指してやっていく?
中島:
一番はアメリカツアーに挑戦することですし、アメリカに行くには賞金王にならないといけないと思うので、そこは一番の目標で、来年は日本から出てアメリカもしくはヨーロッパで挑戦したいなと思ってます。
Q:子供の頃から、そういうプランを描いてたんですか?
中島:
アメリカツアーが世界最高峰でギャラリー数も一番多いですし、選手のレベルも高くて、そこに挑戦したいっていうのはずっと思っていました。プロはみんな目指してると思いますし、そこに挑戦するという気持ちは続けて持ちたいなと思います。
杉浦悠太プロデビュー戦で「優勝目指す」
ダンロップフェニックスでは史上7人目のアマチュア優勝を果たした日本大学4年生の杉浦悠太(22)。優勝インタビューで、プロ転向を表明したため、今大会はプロデビュー戦に当たる。今大会に17年、18年とアマチュア出場している杉浦は、21日に練習ラウンドで18ホールを確認した。大会を前に杉浦に話を聞いた。
Q:今大会からプロとして迎える大会ですけども、アマチュアだった先週と比べて大会に向かうにあたり、心境の変化はありますか。
杉浦:
特に先週と変わるところはないですね。本当にいつも通り、こうやって練習ラウンドをしてコースのメモをして良い成績を出すために頑張りたいなっていう気持ちです。
Q:カシオワールドオープンに2017年と18年に出場されていると思うんですけど、この大会どういった印象を持っていますか。
杉浦:
高校生の頃、2回出て両方予選通過することができているので、すごくイメージがいいコースです。

Q:今年は練習ラウンド回ってみて改めてコースの印象はどうですか。
杉浦:結構他のコースに比べると広いなと思いますね。高校生の時に比べて、セカンドの距離とかがかなり短くなっているので、すごい飛距離が伸びたなっていう、練習ラウンドしながら思いました。
Q:回ってみて、ポイントになりそうだなっていうホールはありますか。
杉浦:
やっぱりPar3ですね、Par3が本当に長いホールが多いので、多いですし、周りにバンカーもあったり、すごく難しいかったので、そこのPar3でしっかりパーをセーブすることができればうまくいけるんじゃないかなと思います。
Q:今大会からプロとしての大会というところで、ファンの方も注目していると思いますが、どういったプレーを見てもらいたい。
杉浦:最近はすごいドライバーをティショットでドライバーを持って攻めるゴルフするようになったので、ドライバーを持ってどんどん攻めていくところを見てもらいたいなと思います。
Q:プロ初戦に向けて意気込みをお願いします。
杉浦:今大会からはプロとして出場するので、まずはプロとして1勝目を挙げられるように頑張っていきたいと思います。優勝を目指して頑張ります。
【2023年 国内男子賞金ランキング】
1 中島 啓太 ¥162,886,179
2 金谷 拓実 ¥122,548,999
3 蟬川 泰果 ¥110,979,749
4 今平 周吾 ¥98,405,906
5 宋 永漢 ¥87,533,906
6 平田 憲聖 ¥74,348,650
7 稲森 佑貴 ¥66,918,035
8 石川 遼 ¥59,818,528
9 岩田 寛 ¥55,326,208
10 吉田 泰基 ¥51,725,594
■カシオワールドオープン
第1日 11月23日(木)
第2日 11月24日(金)
第3日 11月25日(土)
最終日 11月26日(日)