泣いて謝る母の姿を見て 「自分は何をやっているんだろう」
母親が裕向さんを警察署に引き取りに来ました。

裕向さん
「(母親が)警察署に入りながら『すいません、うちの子がすみません』みたいなことを言って、謝りながら入ってきた母親を見て、自分は何やってんだろうなみたいなのはありました」
自分のために涙を流しながら謝る母親の姿を見て、暴走族を辞める決心をしました。その後、高校も退学になりました。

裕向さんは広島県廿日市市吉和の出身です。
裕向さん
「ただいま」
この日は全国各地をめぐる巡業の合間をぬって帰省しました。
裕向さんの母・千鶴子さん
「同級生が5人しかいないんですよね」
裕向さん
「あぁ、ほんまじゃ、懐かしい。ぼく、ここにつむじがあるんで、つむじが二つあるんで、髪型がこうなってんですよね」

裕向さんの母 千鶴子さん
「中学まではずっとひょうきんで、いろいろと人を笑わせたりするのが好きでしたね。中学校までは真面目でしたね」
裕向さんは高校を退学になった後、建築の仕事をしていました。しかし、高校1年の時にテレビで見たプロレスの衝撃が忘れられず、20歳の時にプロレスラーを目指して上京しました。
裕向さん
「練習きつかったですけど、辞めたいと思ったことはなかったです。好きなことやってるから。気持ちが強かったんじゃないですか、やる気だけはあったから。すべてを捨てて(実家のある吉和を)出るわけじゃないですか、友だちも全部。最初はけっこうホームシックになりましたけどね」

はじめ両親は、プロレスラーになることに大反対でしたが、裕向さんのがんばりを見て、今は応援しています。
裕向さんの母 千鶴子さん
「まあ、けがが心配でね、自分が好きなことなのでしょうがないかな」
裕向さんの父 守さん
「自分の生き方じゃけ、それをああせえ、こうせえはできないよね、親は。自分で決めたもの、やる限りは自分で責任持つ以外ないんで。ほかには何にもないです」