中東の紅海で、イエメンの反政府武装組織「フーシ派」に貨物船が乗っ取られた問題で、日本郵船が対策本部を立ち上げたと明らかにしました。

イスラエル首相府などによりますと、貨物船はイギリスの会社が所有し、日本郵船が運航していたもので、トルコからインドに向かっていました。ウクライナ、ブルガリアなどの国籍のあわせて25人が乗っていたということですが、安否などは分かっていません。

「フーシ派」はイスラエルと敵対するイランの支援を受けている組織で、「イスラエルの船を拿捕し、イエメンの海岸に連行した」との声明を発表。イスラエル軍とハマスの戦闘開始以降、イスラエルに向けて攻撃を繰り返しているほか、イスラエルの船舶を攻撃対象にすると警告していました。

AP通信は、船の所有に「イスラエルの富豪が設立した会社が関係している」と伝えています。

乗っ取られたのは、日本郵船がチャーターし、運行していたバハマ船籍の自動車輸送船「ギャラクシー・リーダー」で、日本郵船は「拿捕されたのは事実。乗組員の安全を確認中」とコメントしています。

日本郵船はけさから対策本部を立ち上げ、情報収集を行っていて、「乗務員に日本人はいない」としています。

一方、貨物船の拿捕を受けて、松野官房長官は午前の記者会見で「断固非難する。関係国と連携しながら、当該船舶および船員の早期解放のため取り組んでいる」と述べています。