「“元・松木屋”の向いでお店をやっていたんです」一枚の古い写真が物語る『タナカ洋服店』と書かれたコーヒー店

COFFEESTAND Kello 鳴海絵美さん
「コーヒーが好きだったものありますが、人が集まるような場所ができたらいいなと思ってちょっとずつ準備を進めていこうかなと思っていて、家もそれ(店)用に場所を作って」

でも、店の入り口には「タナカ洋服店」と書かれていて店内では鳴海さんがコーヒーをいれる傍らで母親の田中千代さんが洋服の直しをしています。その理由の一つは店内に飾られている一枚の古い写真にありました。

こちらは大正時代に現在の青森市新町2丁目で創業した「田中洋服店」です。昭和6年・1931年に発行された地図には確かに「田中洋服店」が記されてあります。オーダーメイドの紳士服を仕立てる青森市で初めての洋服店として鳴海さんの曽祖父が立ち上げたといいます。欧米文化が進んだ時代。店の看板は日本語だけではく「TAILOROF TANAKA」の英語表記もありました。

タナカ洋服店 田中千代さん
「新町の“元・松木屋”の向いでお店をやっていたんです」

「松木屋」は大正10年=1921年に創業した青森市で初の百貨店です。当時は柳町通りと「田中洋服店」があった新町通りの交差点にありましたが終戦の間際に閉店を余儀なくされ戦後の復興が進む中、1950年に「田中洋服店」の向いに移転して再出発。「田中洋服店」もまた戦火で焼失したため建て替えられ戦後の経済成長を支えました。