「天国の父も喜んでいるかなと思っています」生涯現役でミシンを踏み続けた祖父

タナカ洋服店 田中千代さん
「昔はオーダーの服って結構高くても注文してくれるお客さんがいっぱいいた。そのあと既製品が売れるようになってスーツの注文があまりなくなって、だんだん直しものばっかりになってしまった。時代が変わったというのか」

それでも幸蔵さんは2012年に84歳で亡くなる直前まで生涯現役でミシンを踏み続けました。そのミシンと作業場にあった壁掛け時計。この光景が目に焼き付いていた鳴海さんは閉店したタナカ洋服店からミシンと時計を引き取りました。

コーヒー店の名前「Kello」の意味はフィンランド語で「時計」。この時計に由来しています。

COFFEESTAND Kello 鳴海絵美さん
「家を建てるときに絶対にこの場所は作りたいと思って作って、時計もミシンも飾りでもいいから置いておきたいなと思っていましたが、できる人がいるじゃないかと」

父・幸蔵さんには及ばないと謙遜しますが千代さんもまた裁縫の専門学校で学んだ一人です。

タナカ洋服店 田中千代さん
「天国の父も喜んでいるかなと思っています」

いつかコーヒーの店を持ちたいと準備していた鳴海さんが「タナカ洋服店」を掲げた理由は、もう1つありました…。