中山の復活でニューイヤー駅伝に期待
明るい材料は7区(12.9km)の中山顕(26)のケガからの復活だった。小山の持つ区間記録に2秒届かず悔しがったが、同期で同じ埼玉県出身の小山の活躍が中山の背中を押した。
「7区の付き添いが小山で、暑さもあるので少しずつ前を追って、前に選手がいたらその選手を上手く使いながら行くことを、アドバイスしてくれました」
中山は入社1年目にニューイヤー駅伝3区を任され、いきなり区間3位(チームも3位)と好走した。2年目も3区だったが、区間13位でチームは5位。そして3年目に6区区間賞でトップに立ち、Hondaの初優勝に大きく貢献した。4年目の前回も6区区間2位で、チームの2連勝を大きく引き寄せた。
しかし今年は3月の東京マラソン(70位・2時間19分04秒)の後に右脚の大腿骨を故障して、7月まで本格的な練習ができなかった。東日本実業団駅伝が8カ月ぶりのレース出場になった。
「太ももとかの筋力は元々あったのですが、体幹周りがなくて、疲れるとブレてしまう走りになっていました。体幹の補強を教わりながら、キツくなってからもブレない、上下動のない走りを意識してきました。故障をしない体になり、走りの推進力が増したと思います」
中山が目指すのもマラソンで、「28年のロサンゼルス五輪の頃には小山に追いつきたい」という。当面はニューイヤー駅伝でスピードを強化し、来年の2月か3月にマラソンでしっかり走ることが目標だ。
「ニューイヤー駅伝は6区か7区。が希望です。今回は富士通さんに負けてしまいましたが、ニューイヤー駅伝はなんとしても勝ちたいですね。3連覇を達成したい」
今回から最長区間になる2区は、前回4区(当時最長区間)でトップに立った小山か、10000mで21年東京五輪と22年世界陸上オレゴン代表だった伊藤が有力だ。どちらかが3区に回り、1区は前回区間2位の小袖英人(25)か、東日本1区区間3位の森か。5区は前回区間賞の青木涼真(26)が、かなりの確率で連続区間賞を取りそうだ。
富士通とトヨタ自動車も代表クラスを揃えてくるが、6区か7区で中山が過去2年のような走りをすれば、Hondaの3連勝の可能性が高くなる。
(TEXT by 寺田辰朗 /フリーライター)
※写真は左から小山選手、ヴィンセント選手














