“駅伝日本一”を決めるニューイヤー駅伝で2連勝中のHondaは、東日本予選では不完全燃焼に終わった。東日本実業団駅伝は11月3日、埼玉県庁をスタートし、熊谷スポーツ文化公園陸上競技場にフィニッシュする7区間76.9kmで行われた。4区でトップに立った富士通が3時間41分06秒の大会新記録で4連覇を達成。Hondaは優勝争いに加わることができず、3時間42分40秒で2位に終わった。
だがニューイヤー駅伝では、MGC(マラソン・グランドチャンピオンシップ。パリ五輪代表3枠のうち2人が決定)優勝でパリ五輪代表を決めた小山直城(27)と、10000m東京五輪代表だった伊藤達彦(25)が加わる。3連勝が十分可能なチーム力を見せた。
ヴィンセントと丹所、新人コンビに実業団の“壁”
Hondaは1区(11.6km)の森凪也(24)が1位と3秒差の区間3位と好スタートを切ったが、2区(8.0km)と3区(16.5km)の新人コンビがいまひとつで、前半区間で先頭争いから少し後れてしまった。
Y.ヴィンセント(22)は箱根駅伝で3つの区間の区間記録を持ち、最強の留学生ランナーと言われた選手。だが今回は区間7位で6位に後退した。小川智監督は「実力的なところ」と、ヴィンセントへの過大な期待を打ち消したい様子だった。
「粘りが彼の持ち味ですが、そこが出せなかったのは、まだまだ社会人のレベルに到達していないということです。そうなると思っていましたが、あと2カ月でどうにかしていかなくてはいけません」
近年はインターナショナル区間(前回までは2区8.3km、今回から4区7.8km)が課題だったHonda。ヴィンセントには区間ヒト桁順位で、と期待しているのだろう。
3区の丹所健(22)は東京国際大でヴィンセントと同学年だった選手。3年時には箱根駅伝3区で区間賞を取った。今回のメンバーでは「一番持久力がある」(小川監督)と、最長区間の3区に起用された。
6位でタスキを受けたが、6kmあたりで6人のトップ集団を形成した。7km付近で集団を抜け出す動きも見せたが、8km過ぎには集団に吸収された。14kmから抜け出したKaoに4区への中継では10秒差、4位になっていた。
小川監督は「ぎりぎり合格点」としながらも、「学生の頃なら、あのまま行けた感覚だったみたいです。社会人は甘くないとわかったと思います」と、実業団のレベルに跳ね返されたことを認めていた。
しかし4区(9.5km)への中継は、最大のライバルである富士通(3位)とは同タイムだった。4区以降でついた差が、フィニッシュの1分34秒差になった。














