「プーチン大統領に何人の影武者がいるのかという憶測が飛び交っています。3人なのか4人なのか、専門家が推測しようとしています。毎日私たちが目にしている姿は3番目の影武者なのか4番目なのか、わからないですよね?…プーチンは1人しかいませんよ」(ペスコフ大統領報道官)

ロシアの祝日である11月4日の「民族統一の日」。モスクワでは約20年にわたるプーチン時代の「成果」をアピールする博覧会が始まったが、メディアの関心は博覧会そのものより会場で講演したペスコフ大統領報道官の発言に向けられた。

これに先立つ10月26日、ロシアから次のような“怪”情報が発信されていた。

「暴君は死んだ。ドッペルゲンガー(影武者)を大統領にすり替える“クーデター”が進行中だ」

メディア統制下にあるロシア国内でも、規制を受けない通信アプリ「テレグラム」を通じて情報が拡散。独立系メディア『モスクワ・タイムズ』によると、国内最大の検索サイトで「プーチン死亡」というキーワードが前月の30倍以上検索されたという。

もちろん、ペスコフ報道官は「デタラメだ」と一蹴。強力な情報機関を持つ米英等の主要国からも公式反応は一切出ていない。偽情報だろうと断じてしまえばそれまでなのだが、その後も「遺体はヴァルダイの大統領邸の冷凍庫にあり、近親者が葬儀の準備をしている」とか「プーチン氏に成り代わった影武者がコロナに感染し公務を休んだ」といった二の矢、三の矢の“続報”が放たれ、ペスコフ氏が重ねて否定するという異例の「いたちごっこ」が続いている。