「死刑制度には死刑を執行する人がいることを忘れてはいけない」
千葉県袖ケ浦市の曹洞宗真光寺。寺を樹木葬の墓園が取り囲んでいる事で知られている。

岡本和幸住職は20年以上、教誨師として死刑を免れた無期懲役囚達の精神的な支えとなって来た。

岡本和幸 住職:
「(犯罪記録を)見たときは反吐が出るぐらい凄まじい犯罪。でも会えば普通の人です。死刑制度には死刑を執行する人がいることを忘れてはいけない。その人に殺人という罪を犯させている。刑務官たちがその人たち(死刑囚)と一緒にすごしている。“罪を見て人を見ず“になっている社会の大きな間違いじゃないかと思っている」
死刑と無期懲役の“差”とは

岡山刑務所。受刑者440人のほぼ半数が死刑に次ぐ厳罰、無期懲役囚だ。全員が初犯。ある日突然、人の命を奪う重大事件を起こして服役している。
死刑と無期懲役、2つの厳罰の差を服役している彼らはどう感じているのだろうか。
無期懲役(二審死刑)服役23年
「これはものすごい差がある。“生きる”ということと“生きることが許されない”状況ですから。しかも、今日“お迎え”がくるかもしれない」
無期懲役・服役41年
「紙一重ですからね」
無期懲役・服役23年
「未成年でなかったら死刑だったのかな」
死刑を免れても30年以上服役しなければ仮釈放の審査の対象にすらならない。
高齢化は深刻で“獄死”も後を絶たない。無期懲役の“終身刑化”が現実のものとなっているのだ。
