宮城県の南西部にある七ヶ宿町に、たった1人でワイン用のブドウを栽培し、ワインを作っている男性がいます。「ワインでその土地を表現する」をモットーに、至極の一杯を追い求める男性。ブドウと向き合い続ける姿を取材しました。

畑で1人、黙々と作業をする荒井謙さん(34)。荒井さんは2019年から、七ヶ宿町の農園でワイン用や生食用のブドウ15種類を栽培しています。

荒井謙さん:
「9月に入って秋が訪れてすごく寒暖差が出てきた形で。ブドウの品質も非常に良い状態だったかなと思います。」

荒井さんは宮城県白石市出身。東京の大学と大学院でワイン用ブドウを研究し、長野県のワイナリーに就職しました。6年半にわたって、畑の管理や醸造、店舗経営などを経験するなかで、ある思いが沸きあがります。

荒井謙さん:
「本当に良いワインは良いブドウからしかなりえないんですよね。そういったことを考えると、こうして1人で畑からやって思いも込めて1年間育てて、そういったところでワイン造りに直結できるのは畑から作る魅力です」

理想のワインをとことん追求したい。荒井さんは、新たな環境に身を置くことを決めます。注目したのは、意外な土地でした。