故郷で踊りたい…熱意が形に

プロジェクトを立ち上げたのは、南津島出身の学生今野実永(みのぶ)さんです。今年の春には、学生が保存会と一緒に踊りを披露するなど、一定の成果をあげてきました。

今野実永さん「この踊りを津島で絶対踊って、津島に披露したいなと思います」
三瓶専次郎会長「いつか津島で披露できる夢を持ちながら、実永さんと学生さんたちが本気になってやっていただいていますので……」

今野実永さん

いつか、津島で…。そう願いながら、住民と学生は、二人三脚で踊り続けてきました。大盛況のうちに終わった、ふるさとでの田植踊り。2つの熱意が、形になった時間でした。

紺野宏さん「非常に緊張しちゃった。ここに入ってくるときからだね。津島でやるんだと思ったきょうの朝方から妙に緊張していたね。十数年前、復活しませんか?と言われたときは、結構苦しかったんだよ。やっぱりここまでつなげてこられたというのは、自分の中に何かがあるメンバーが多かったのかなと思う」

狭いステージ上でも上手に披露することができたようです。

三瓶専次郎会長「我々の踊りは、農家回って歩くでしょ。その家その家で、狭い部屋から広い部屋からあるわけです。だから、その家に合った輪を作って踊るっていう。何とか、十何年ぶりの披露がうまくできたかなと」

実永さんも、手ごたえを感じつつ、次を見据えています。

今野実永さん「私としては保存会の人たちと一緒に津島で踊る機会を増やしていけたらな、と。津島にこの踊りは直結しているものなので、できるだけ津島の人たちに見てもらえる機会を作っていきたいと私個人は思います」

原発事故から12年あまり。つないできた伝統を継承できずに止まっていた時間が再び動き出しています。