この30年あまりで3割以上の個体が減少?
現在、全世界でおよそ250万羽いるといわれるミナミイワトビペンギンは個体数が減少傾向にあります。1971年から2007年までの間に総個体数は34%減少したといわれているのです。

その原因のひとつとして考えられるのが温暖化による気候変動。
海水温の上昇や餌となる魚が減少、巣となるコロニーに嵐が頻繁に襲う…といったことが個体数の減少につながっているのでは、と考えられているといいます。
ミナミイワトビペンギンは国際自然保護連合(IUCN)のレッドリストで”絶滅危惧種”となっていて、個体数の急激な減少によって絶滅の危機にさらされているのです。
個体を増やす取り組みも…ミナミイワトビペンギンの未来は
そこで個体数を増やそうと、日本国内でも水族館や動物園同士での繁殖を目的とした動物の貸し借り『ブリーディングローン』という取り組みを進めています。
マリンピア日本海で飼育されているミナミイワトビペンギンも2001年から10年間、東京都の葛西臨海水族園へブリーディングローンに出されましたが、繁殖には至らなかったそうです。
一方、大阪市にある水族館『海遊館』では人工授精による繁殖にも成功していて、今後の個体の維持も期待できます。しかし、それだけでは根本的な解決にはなりません。
温暖化が進む中で、海の環境をどう守っていくのか。“水の惑星”地球で共に暮らす私たちも考えていかなければならない問題なのです。