『ミナミイワトビペンギン』というペンギンをご存知ですか?
目の上の黄色の飾り羽『冠羽(かんう)』が特徴的なペンギンです。
2023年現在、全国10か所の水族館や動物園で100羽ほどが飼育されている中、新潟市水族館・マリンピア日本海でも1羽が飼育されています。ただ、このペンギンは30歳と高齢で両目が見えません。
飼育担当・松浦大志さん(29)と日々を生きる“老ペンギン”を追いました。

ミナミイワトビペンギンとは

かつてタグの色から「あか」と呼ばれていたミナミイワトビペンギン

ミナミイワトビペンギンは体長が30cmほどで、体重は2~3kg。世界で18種類いるペンギンの中でも小型です。南極圏の冷たい海流の影響を受ける『亜南極圏』に生息していて、全世界では250万羽ほどいるといわれています。

野生下の南半球では10月から翌年4月頃まで陸上で生活し、そのほかは海の中で暮らしています。アシカやオットセイなどの天敵から身を守りながら、小魚やイカ、オキアミを食べて生活しています。

日本国内の施設で飼育されているのは、およそ100羽。平均寿命は20~25年ほどと言われる中で、25歳以上は国内でわずか5羽ほど。マリンピア日本海で飼育されているミナミイワトビペンギンは30歳で、実は全国で3番目に高齢なのです。
そんな30歳の“老ペンギン”は、波乱万丈な生涯を過ごしています。